カポディモンテ美術館展と有元利夫展

 休みをとって、東京で二つの展覧会を見た。
 まず西洋美術館で開催中のナポリのカポディモンテ美術館展。インターネットでチケットを購入しておいた。それほど混んでいなくてすんなり入れたので、窓口で買っても良かったかもしれないが、並ぶのが嫌なので。見たかったのはマンテーニャの作品。マンテーニャが日本で見られるなんてめったにないのでは? 一番最初に展示されていた。『ルドヴィコ・ゴンザーガの肖像』。なんともいえない繊細で真摯な若者のプロフィール。
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これを見て満足してあとはもう見ないでも良かったぐらいなのだが、パルミジャーノの『貴婦人の肖像』、ジェンテレスキの『ユディット』あたりが良かった。ナポリはいつか行きたいと思う。この本を読んでからなのだが。


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あとは常設展で、ラトゥールの『聖トマス』とブリューゲルの作品を見た。
これはいつもいくたび見るのだが、いつ見ても良い。マンテーニャの絵葉書を探したがなかったのは残念。そして常設展の松方コレクション。小学生の頃夢中になってみた思い出がある。ゴッホ、ゴーギャン、ミレー
懐かしい絵。
 次に庭園美術館での有元利夫展。有元は人気のある画家で、実際だいぶ前に開催された展覧会でこんな画家がいるのかと衝撃を受けたのだが、今回は自分が年をとったせいなのか、今ひとつ響くものがなかった。一番良かったのが、卒業制作の『わたしにとってのピエロ・デラ・フランチェスカ』といってしまうのはあんまりだろうか。『わたしにとっての‥』はうずまくエネルギーが混沌とした感じられる。人物が一人になってしまって、どんどん静かに動きのない構図になっていくあたり、それでも1970年代はまだしも80年になるあたりから、どうも自分の絵に縛られてしまっているかのような感がある。それを抜けた先にまた何かありえたのかもしれないが。
 それからもう一つ、庭園美術館という場所にしては、作品を詰め込みすぎたのではないか。一つ、暖炉の上に飾られていた『運動する人』(1974)が位置としてぴたりだと思った。
有元に関する本ならばこれが良いと思う。


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 門の近くのカフェで休憩。『茶酒』という名前。甘いものが食べたくて『青海波』というなまえの焼きりんごをのせたクレームブリュレとエスプレッソ。エスプレッソが木のお椀ででてきたのには驚いたが、久しぶりにエスプレッソが美味しいと思えた。
 後日談:会場で売っていたカタログを購入し、日々眺めていたのだが、有元のアトリエの写真が載っている。その壁面の片隅に架かっている絵はなんとマンテーニャの『ルドヴィコ・ゴンザーガの肖像』。ピエロ・デラ・フランチェスカが好きなら当然マンテーニャも好きで不思議はないのだが、この絵が架かっている偶然?を発見し。何だかうれしくなってしまう。またカタログで日々見て、有元が考えていた構成を改めて味わうとやっぱりいいなあとも思う。展覧会を二つ見たのが良くなかったのかもしれない。その順序も。(8/19)